多次元滑空120分=ワイルドスクリーン・バロック
ご無沙汰しております。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の感想からずいぶん日が空いてしまいました。
あのあと、今年の初めに「ジョゼと虎と魚たち」を観に行き、その日じゅうに感想を書こうとしましたが筆が保ちませんでした。
これを書くとき久しぶりに下書きを見ましたが、あの時何を感じたのかを完全に思い出すのには時間がかかりそうです。
やはり、感想は寝る前に書きあげてしまうのがよさそうです。
起きた後に見返して後悔しそうですが…
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今日は、「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を鑑賞しました。
アニメ化の際から気になっていた作品ですが、なかなか見る機会に恵まれず…
映画の評判をいろんな人(例えば:
『劇場版 少女歌劇レヴュースタァライト』。観に行った人が口を揃えて「思いもよらぬ」良い出来と言い、またTV観ていなくても大丈夫というので行ったわけですが…。なんというか、映像の快楽に溺れる何じゃこりゃの恐るべき怪作。
— 三崎尚人 (@nmisaki) 2021年6月12日
)から見聞きしたので、映画体験ができそうならいいじゃない!とバルト9の夕方割を予約。
来場特典はキャスト陣のブロマイドで、昨日までならスタッフ本がもらえたのになあ…とちょっと後悔していたら、まさかの三森すずこさんのがご降臨。運を使ってしまった()
さて本編ですが、こんなテンションでアニメ本編も展開されていたら寝付けないが!?!?と驚くぐらいアヴァンギャルドでした。
アニメの中で劇を行う(劇中劇)・「アタシ再生産」というメタな匂いがするテーマ、など尖った要素満載な作品であることは承知していたつもりでしたが、直近の映画を出すとTENETの読後感とレビュースタァライトのそれはよく似ていたのです。
空間と時間のジェットコースター、キャラクターが二人画面に出てくれば即レビュー、120分という長尺で1秒たりとも目を離す隙を見せない構成はまさに「映画体験」でした。
劇中「ワイルド・スクリーン・バロック」という劇が主に展開されるのですが、まさにこれはワイドスクリーンバロックの捩りで、「空間と時間のジェットコースター」だったわけです。
この語の出処であるオールディスというSF作家は、"BAROQUE"の一語に「機知に富み、深遠であると同時に軽薄」という意味を込めたのでしょう。読者・視聴者を揺さぶることが感動でもあり感覚麻痺でもある、というのはなんとも皮肉だなあと感じます。
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<スタッフについて>
そもそも私がアニメも見ない状態でこの作品を気にしていたのは、1話のショットや「アタシ再生産」というキャッチフレーズを知って、明らかに幾原邦彦=「輪るピングドラム」の世界観を意識していると思ったからなのですね。
それで監督のお名前を調べたのですが、古川知宏氏はやはりピンドラ・「ユリ熊嵐」の脚本・絵コンテを手掛けていました。
幾原邦彦が「バタフライ的な構成の上にテーマ(ピンドラなら家族愛、ユリ熊なら女性愛?)を掲げる」のに対し、古川知宏はその奇抜な構成で一本書ききっている印象です。映画のフォーマットで世に出したのは素晴らしい判断であったと思います。
また制作会社キネマシトラスの処女作は「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」で、これまたカルト的な人気を誇る傑作(と聞いている)であり妙に納得してしまいました。
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総括しますと、
作画、脚本、構図、劇伴すべてよし。長尺濃密で、考察するための複数回視聴は厳しそう。また劇場で見れる機会があればぜひ行きたいです。
「レビュースタァライト 映画」や、「レビュースタァライト 幾原」で検索すると映像学や文学に詳しそうな方々の解説がたくさん見つかったので、今度読んでみようと思います。
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こういうことを全力で楽しむために、文学を勉強する道を選んでみたかったなあと、人生の選択肢を企業の偉い人に握られ絞られ強く思う日々です。せめて大学の勉強に愛想をつかさなかったら情熱は絶えなかったのではないか。もう後戻りも方向転換も難しいかもしれませんが、私の好きなことをやってくれるクリエイターを応援して文化欲を満たせたら…という思いで、映画なり音楽なりをまた楽しめるようになりたいですね。
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<余談>
・今日ではないですが、新宿でいただいたカレー「半月」さん。あいがけ980円はかなりお得なのでは。
・レビューと聞くとまず頭に流れる曲。渋谷系って本当に今の流行りと正反対の空気感ですね。明けたら流行ったりして。
・スタァライトは実はブシロードIPなのですが(これもアニメを見る二の足を踏んだ遠い理由です)、最近だと「アサルトリリィ」もブシロードから展開されていますね。案外ブシロード見る目あるな(?) 世界系百合とまとめるとだいぶ強引ですが、こちらも熱心なファンが多い印象があります。ゲームではいま夏イベやってますよ(宣伝)
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— アサルトリリィ Last Bullet(#ラスバレ)公式 (@assaultlily_lb) 2021年6月18日
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・ピングドラムの10周年記念プロジェクトが始動していますね!非常に楽しみです。映画「RE:cycle of the PENGUINDRUM」はぜひスタァライトと比較してみたいです。
・ジョゼはコミカライズ上下巻買わせていただきました。絵本奈央さんの儚げな線が実に愛らしい。
・最近は漫画を読むことを覚え、行く街のブックオフで100円棚を漁っています。また別の場所でショートレビューをまとめようかと計画しています。 とりあえず最近の好きな作品を紹介させていただきます↓